みやざき農業日誌

株式会社 風土のスタッフブログです。
風土スタッフの日々や、野菜に関する記事を記録していきます。


かぼちゃの規格

風土のかぼちゃの収穫が終わり、出荷作業に追われています。
そんな中、3kgの巨大かぼちゃを発見しました。
この品種は1.8kg前後が標準的な大きさですが、
ある畑では2kg以上の大玉がごろごろと採れました。
これを大きさ別の「規格」に沿って選別し、出荷するわけですが、
そもそもかぼちゃの規格とはどういったものなのでしょうか。

かぼちゃを始め、多くの野菜は「10kgあたり何個入っているのか」が
最も大事なポイントになります。
規格が「4玉」だとすると、10kgあたり4玉入っているので、
おおよそ1玉あたり2.5kgくらいの大きさだということです。
主要な規格をざっと書き出してみましょう。

4玉 2.5kg
5玉 2.0kg
6玉 1.7kg
7玉 1.5kg
8玉 1.3kg

そうなると、3kgの巨大かぼちゃは「3玉」なのかというと、そんな規格は一般的にはありません。
所謂、「規格外品」として販売することになります。

スーパーの野菜売り場で見かけるかぼちゃは、たいてい1/4にカットされています。
もしくは、小さいかぼちゃは1/2にカットされています。
では、仮にかぼちゃの仕入単価が200円/kgだったとすると、1玉の単価はこのようになります。

4玉 2.5kg 200円/kg 500円/玉
5玉 2.0kg 200円/kg 400円/玉
6玉 1.7kg 200円/kg 340円/玉
7玉 1.5kg 200円/kg 300円/玉
8玉 1.3kg 200円/kg 260円/玉

一般家庭で食べきるくらいのサイズに切り分けて販売しましょう。
4~6玉は大きいので1/4カットで、7~8玉は小さいので1/2カットで販売すると、
原価は下記のようになります。

4玉 2.5kg 200円/kg 500円 1/4=125円
5玉 2.0kg 200円/kg 400円 1/4=100円
6玉 1.7kg 200円/kg 340円 1/4=85円
7玉 1.5kg 200円/kg 300円 1/2=150円
8玉 1.3kg 200円/kg 260円 1/2=130円

ここで消費者の目線で考えます。
風土のようなこだわりのかぼちゃとはいえ、あまり高いと手が伸びませんね。
野菜が安い昨今、198円くらいがちょうどいいのでしょうか。
スーパーのバイヤーさんとしては粗利益を4割くらいは確保したいでしょう。
そうなると、カット後の原価は120円くらいで抑えたいところなのに、4玉、7玉、8玉は予算オーバーです。

ということは、かぼちゃの仕入単価は規格ごとにこうあるのが理想です。

4玉 2.5kg 192円/kg 480円/玉 1/4=120円
5玉 2.0kg 240円/kg 480円/玉 1/4=120円  
6玉 1.7kg 288円/kg 480円/玉 1/4=120円
7玉 1.5kg 168円/kg 240円/玉 1/2=120円
8玉 1.3kg 192円/kg 240円/玉 1/2=120円
 

実際に流通する規格ごとのkg単価も、だいたいではありますがこのようになります。
風土のかぼちゃは1株から1玉しか採りませんので、
1玉が大きい方が豊作で利益も大きいように思われますが、
実際は上記のように「6玉」を狙って作る方が商品価値が高いと言えるでしょう。

ちなみに、今年の風土のかぼちゃで最大のものは4.4kgもありました。
もちろん「規格外品」扱いなので、加工用に安く販売するか、
頭をひねって販売先を見つけないといけませんね。

左が3kg、右が2kg

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プロフィール

株式会社風土 社長 濱口陽行(ふうどしゃちょう はまぐちたかゆき)

1975年10月6日、東京都生まれ高知県育ち。普通科高校~大学法学部からIT関連のセールスを経て2008年10月1日に農業生産法人である株式会社風土を設立。

おいしいを、作ろう 株式会社風土

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