みやざき農業日誌

株式会社 風土のスタッフブログです。
風土スタッフの日々や、野菜に関する記事を記録していきます。


立夏

5月6日から暦の上では「夏」ということになりました。

今年の春は例年に比べ寒く、雨が少なかったため、様々な露地野菜に影響がありました。
どれだけ寒かったか、3月と4月のデータを昨年と比べて可視化できるようにしておきます。
(出典は、気象庁が公開している都城の数値です)

■ 最低気温

緑のラインが昨年で、青いラインが今年の最低気温です。
水色のゾーンが降霜の恐れがあると思われる、摂氏4℃以下を示しています。
実際に畑に「最高最低温度計」を置いてみると、気象庁の数字よりも
3~4℃低い所もありますが、条件が細かすぎるので割愛します。

昨年は氷点下の冷え込みは1回だけでしたが、今年は4回も起きています。
かぼちゃには深刻な寒さで、苗を守れただけでも恩の字です。
インカのめざめは発芽後にやはり降霜で枯れてしまい、
種が強いものは2度3度発芽を繰り返して順調に育っていますが、
小さな種や、種1片にある芽が足りなくなった種は欠株となってしまいました。

一方ゴボウは、シベリア原産ということもあって耐寒性が強く、
降霜の影響を直接受けた圃場は無いようです。


■ 平均気温

グラフを見ただけではピンときませんが、実際に3~4月の2ヶ月間での
積算温度の差は、昨年と今年で160℃違います。
積算温度は、露地野菜の発芽に要する期間に影響しますので、
5月初旬の「平均気温の平均」が11℃程度だとすると、2週間遅れで
発芽するという見通しになってしまいます。
風土では、里芋やショウガに影響がありそうです。


■ 降水量

グラフにしていませんが、昨年は3~4月の2ヶ月間で642.5mm降りました。
今年は93mmしか降っていません。
肥大期にあるタマネギやラッキョウの肥大が遅れたことが考えられます。
風土ではゴボウの葉がなかなか大きくならない時期が続きましたが、
最近の雨で一気に大きくなりました。

また、少雨の際に必ず大発生するのがアブラムシです。
色々な圃場を観察していると、畦の「ギシギシ」や「セイタカアワダチソウ」を
吸って増加したアブラムシが、少しずつ圃場に進入しているようすでした。
防除より先に草刈りが必要な状況です。

なお、今年は5月に入ってからの6日間で59.5mmも降っており、
「五月晴れ」とは逆の天候になっています。

こうして見ると春らしい春が無く、このまま寒々とした梅雨に
入っていってしまうのでしょうか。

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プロフィール

株式会社風土 社長 濱口陽行(ふうどしゃちょう はまぐちたかゆき)

1975年10月6日、東京都生まれ高知県育ち。普通科高校~大学法学部からIT関連のセールスを経て2008年10月1日に農業生産法人である株式会社風土を設立。

おいしいを、作ろう 株式会社風土

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