みやざき農業日誌

株式会社 風土のスタッフブログです。
風土スタッフの日々や、野菜に関する記事を記録していきます。


ヒエ

風土のお米は順調に実り、良い感じで穂が垂れています。
と、のどかに農業日誌を綴ろうと思っていた矢先、1枚の水田にヒエがニョキニョキと出てきました。

 ヒエ(稗)と言っても様々ですが、今回は水田にのみ発生する「タイヌビエ」のお話です。

水稲の苗を定植してから、ほどなくしてヒエも生育を始めます。
ヒエは水稲と酷似していて、生育スピードもほとんど同じなため見分けがつきにくく、
こうして穂ができた時に「何か違う!」と発見するのです。
ヒエはアイガモ農法でも対処できず、手で取るしかないのが泣き所です。
(田植え機で植えた列からはみ出たところに生えている草を取ると、
それは大体ヒエですので、ある程度は見分けなくても良いのですが)

しかし、最近は除草剤も便利になりました。
風土も使用している「ラジカルジャンボ」は、麦茶のティーバッグのようなものを
10aあたり10個、水田に投げ込むだけで土壌表面に処理層を作りヒエを抑制します。
このような除草剤の普及で、水稲栽培は劇的に効率的になり、大規模農家が
面積を増やすことができるようになりました。
(皮肉にも現在の日本ではお米は余っているのですが、そんなお話はまたいつか)

さて、ある水田に結構な量のヒエが生えているのを発見しました。
原因はいくつか考えられます。

・ラジカルジャンボの投げ込み方にムラがあった
・投げ込み後の水位が不安定、もしくはオーバーフローによる薬剤の流亡
・管理する過程で、水田を歩いたことにより処理層が崩れた
・前年にヒエを十分に防除できず種子が残っていた

ともかく、稲刈りが大変になりますし、翌年にこの種子を残すことは避けたいし、
何よりカッコワルイので手で取ります。
夜が明けたら、1時間ちょっとヒエ取りをして、夕方仕事がひと段落したら
暗くなるまでヒエ取りをして、2日がかりで作業します。
こんなことをしていると、すっかり日が短くなったのを実感します。

やっとのことで取り終わりました。
あとは収穫まで約3週間、無事に過ぎるのを待つばかりです。

そういえば、風土の近くに「稗田(ひえだ)」という地域があります。
どんな由来でつけられた地名なのか・・・考えるだけでゾッとする今日この頃です。

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プロフィール

株式会社風土 社長 濱口陽行(ふうどしゃちょう はまぐちたかゆき)

1975年10月6日、東京都生まれ高知県育ち。普通科高校~大学法学部からIT関連のセールスを経て2008年10月1日に農業生産法人である株式会社風土を設立。

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